Xのフィードに長文記事が急増している本当の理由
XのアルゴリズムがショートフォームよりロングフォームのArticlesを優遇し始めました。2026年のコンテンツの方向性を分析します。
最近Xのフィードを見て気づいたはずです。280文字のツイートの間に、長文のArticlesが目立つように表示されていることを。
偶然ではありません。5日前、Xはプレミアム登録者全員にArticles機能を開放し、「長文コンテンツがXで通用する」と公式に宣言しました。アルゴリズムがロングフォームを推し始めたのです。
ショートフォームの王者がロングフォームを選んだ理由
140文字から始まったプラットフォームが、なぜ突然長文を推進するのか。
AIボットが量産する短い「スロップ」コンテンツがプラットフォームを汚染していたからです。Xは投稿報酬アプリのAPI接続を全面遮断すると同時に、Articlesを前面に押し出しました。
短い文章はAIが大量生産できますが、深みのある長文はまだ人間の領域です。深さをスパムフィルターにするという賭けです。
アルゴリズム変化の実態
この1週間の直接的な観察に基づいています。
- Articlesは通常のツイートよりもフィード上部に長く留まる
- フォロワー以外のArticlesも「おすすめ」として表示される
- ロングフォームはショートフォームよりインプレッション対エンゲージメント比率が高い
Xからの公式発表はまだありません。しかし、Articles展開後4日連続で過去最高のエンゲージメントを記録したタイミングは偶然ではないでしょう。
a16zが$100Mを賭けた市場
この方向に動いているのはXだけではありません。Substackは昨年$100M規模のシリーズCを調達し、マーク・アンドリーセンは「Substackは既存コンテンツ産業の1,000倍の規模になり得る」と発言しました。
計算すると、Substackの現在の年間売上$45M × 1,000 = $45B。グローバルメディア市場$3.5Tのわずか1.3%です。しかしa16zの論理は異なります。
従来のメディアは構造的に供給を制限してきました。ニュースルームは30,000人使える人材プールから300人だけ雇用し、制作会社は1,200本作れる能力があっても12本しか制作しません。ボトルネックは創作人材の不足ではなく、ゲートキーピングだったのです。
AIが変える生産経済学
ここにAI変数が入ると計算が変わります。
3年前は15人チームが必要だったレベルのコンテンツを、今はAIツールを使う1人のクリエイターが制作できます。映像、音声、リサーチ、文章すべてです。
- 質の高いコンテンツを制作できる人の数が爆発的に増加している
- 品質維持にかかるコストが急激に低下している
- アンドリーセンの「1,000倍」が保守的かもしれない理由がここにある
ゲートキーパーを排除し、全員にプロダクションスタジオを渡せば、市場規模の計算自体が根本的に変わります。
X vs. Substack - 本当の競争の始まり
XがArticlesをアルゴリズムの最前面に押し出したのは、この市場を奪われないという宣言です。
- Substackモデル: コンテンツを書き、別のプラットフォームでゼロから読者を集める
- X Articlesモデル: コンテンツを書き、既存フォロワー+アルゴリズム推薦で即座にリーチ
クリエイターにとっては、新しい読者をゼロから集めなくてもロングフォームの実験ができるようになったということです。
要点
既存メディアが供給を制限していた時代は終わりました。AIが生産コストを崩壊させ、プラットフォームが流通を開放する時代が来ています。
深い視点を持つ個人が、メディア企業より大きな影響力を持てる最初の時代です。ツールは揃い、流通はアルゴリズムが担い、読者はすでにそこにいます。
ロングフォームが支配するかどうかは、すでにアルゴリズムが決めています。残る問いは、あなたがそれを書いているかどうかです。
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